「寝る子は育つ」は科学的にも根拠があります。質の高い睡眠は、食事や運動と同じくらい、もしかしたらそれ以上に身長を伸ばす上で重要です。なぜなら、身長の伸びに関わる「成長ホルモン」は、眠っている間に最も多く分泌されるからです。夜のぐっすりとした眠りが、あなたの成長を後押しします。
眠っている間に背は伸びる 成長ホルモンと睡眠の深い関係
身長が伸びるには「成長ホルモン」が不可欠。脳下垂体から分泌され、骨の成長を促し、筋肉を発達させる「成長の司令塔」です。
この成長ホルモンが最も活発に分泌されるのは、夜、ぐっすり眠っている間。特に眠り始めて最初の約3時間の深いノンレム睡眠時にピークに達します。この時間は体の修復や成長が効率よく行われます。つまり、質の高い睡眠をとることが、成長ホルモンを多く分泌させるカギです。
睡眠不足や浅い眠りは成長ホルモンの分泌を減らし、身長の伸びに影響する可能性が。夜更かしは成長のチャンスを逃すようなもの。睡眠の大切さを見直し、「成長のゴールデンタイム」を確保しましょう。
成長ホルモンをしっかり分泌させるには、質の高い睡眠が不可欠です。では、どれくらい眠り、何に気をつければ良いのでしょうか。
10代には一般的に7時間半から9時間の睡眠が必要とされます。個人差はありますが、成長期は大人より多くの睡眠が必要です。勉強や部活で忙しくても、十分な睡眠は日中の集中力や学習効率にも繋がります。
そして睡眠の「質」も大切。寝る直前のスマホやPC、テレビはブルーライトがメラトニンの分泌を抑え脳を覚醒させます。寝る1時間前からは画面から離れましょう。カフェイン(コーヒー、お茶、エナジードリンク)も覚醒作用があるので夕食後、特に寝る前は控えましょう。寝る直前の激しい運動や熱すぎるお風呂も交感神経を刺激します。夜更かしは成長の大敵。規則正しい生活と質の高い睡眠を確保しましょう。
ぐっすり眠るための環境づくり 意外と知らない快眠のコツ
十分な睡眠時間と寝る前の行動に加え、「睡眠環境」も質の高い睡眠には大切です。快適でなければ寝付けなかったり、途中で目が覚めたりします。
まず寝室の明るさ。メラトニンは暗い場所で分泌が促進されます。部屋を暗くするのが基本。豆電球でも影響することがあるので、フットライトなど間接照明を工夫しましょう。遮光カーテンも効果的です。
次に音。静かな環境が理想ですが、難しい場合は耳栓やホワイトノイズ(雨音など単調な音)を利用しましょう。
温度と湿度も重要。快適な温度(20℃前後)と湿度(50~60%程度)を保ちましょう。夏はエアコン、冬は暖房や加湿器で調整を。体に合った寝具、通気性の良いパジャマも快眠に繋がります。寝る前に温かいノンカフェイン飲料を飲んだり、リラックスできる音楽を聴いたり、軽いストレッチも効果的です。