カロリー摂取量と身長の関係について考えるとき、まず思い浮かぶのは「カロリーを多く摂れば、身長が伸びる」というイメージではないでしょうか。しかし、実際にはカロリー摂取量と身長の関係はそれほど単純ではありません。適切な量のカロリーを摂取することが重要である一方で、過剰摂取はかえって身長の伸びを妨げる可能性があるのです。
カロリー摂取量が身長に与える影響を理解するには、まず身長が伸びるメカニズムについて知る必要があります。身長の伸びは、主に成長ホルモンの分泌によって促進されます。成長ホルモンは、十分な栄養と適度な運動、そして質の良い睡眠によって分泌が促されます。
一方で、カロリーを過剰に摂取すると、体脂肪が増加し、成長ホルモンの分泌が抑制される可能性があります。また、過剰なカロリー摂取は、肥満につながり、関節への負担が増加することで、身長の伸びに悪影響を及ぼすことがあります。
ただし、カロリー不足も身長の伸びを妨げる要因となり得ます。体に必要な栄養が不足すると、成長に必要なエネルギーが確保できなくなるためです。特に、たんぱく質やカルシウム、ビタミンDなどの栄養素は、骨の成長に欠かせません。これらの栄養素が不足すると、身長の伸びが止まってしまう可能性があります。
では、身長の伸びを促進するために、どのくらいのカロリーを摂取すればよいのでしょうか。適切なカロリー摂取量は、年齢、性別、身長、体重、活動量などによって異なります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1〜2歳は950〜1,050kcal、3〜5歳は1,300〜1,450kcal、6〜7歳は1,550〜1,750kcal、8〜9歳は1,800〜2,050kcal、10〜11歳は2,100〜2,400kcal、12〜14歳男子は2,500〜2,850kcal、同年代女子は2,200〜2,500kcalとされています。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、個人差が大きいことに注意が必要です。また、カロリー量だけでなく、栄養バランスも重要です。主食、主菜、副菜を組み合わせた「三食きちんと」を心がけ、適度な運動習慣を身につけることが大切です。
運動によってカロリーが消費されると考えると、その人の環境による個人差がかなり大きいことが考えられます。
適切なカロリー摂取と栄養バランスを保ちながら、規則正しい生活習慣を送ることが、子供の健やかな成長につながるでしょう。