「仕事辞めてどうすんだよ」

上司はバカにするよう鼻で笑った。
でも1年後に再会したとき、その表情は・・
う10年ちかく前になります。

ボクはビルの外を眺めていました。

するとふと、恐ろしい考えが
脳裏をよぎったのです。

 
今この柵を乗り超えたら
 もう仕事いかなくて済むなあ…

ゾッ。

我にかえりました。

とんでもない想像をしてしまった
自分に震えたものです。

そのとき、ボクの仕事は営業。

が、

成績はまったく伸びません。

いつもノルマを達成できず、

 
上司のプレッシャーに怯える日々

です。

みんなの前で叱責され
恥をかくことも日常茶飯事でした。

それで精神が病んでいたのだと思います。

飛びおりを考えるほど
追い詰められていました。

「流石にこれはマズい・・」

思いきって上司に相談することにしました。

その翌日。
 

ボクは自分の現状を
上司に打ちあけました。

仕事で追い詰められていること。
 
ふと飛びおりを考えてしまった

こと。

退職を考えてること。

ひとしきり思いの丈を
さらけだした辺りでしょうか。

上司からグサリと一言。
 
仕事辞めてどうすんだよw

そうあざけ笑うように
言われたのです。

まるで、

「お前には何もできないだろ」

とでも言いたげな口ぶりでした。

その言葉を聞いた瞬間、
心の糸がぷつっと切れました。

その言葉で決心がついたのです。
 
こんな会社、こっちから願い下げだ!

口には出さずグッと堪えましたが、
辞める決意が固まりました。

その日の夜。

会社から帰るときコンビニへ寄り、
白い封筒を買いました。

その封筒のど真ん中。

ボールペンを使って
黒くぶっとい文字で

 
『退職願』

と記入しました。

そして翌日には上司に提出したのです。

まさか本当に辞めるとは
想像していなかったのでしょう。

「お前、正気か?」

とでも言いたげな
驚いた表情をしていました。

一応、ひき止められもしました。

おそらく、
 
(上司の)査定に響くから

だと思います。

が、ボクの固い決意は
変わりません。

上司もしぶしぶ退職を了承。

引きつぎを終えて
1年半つとめた会社を
後にしました。

最後のしごとを終えて
会社を去るとき、
 
まあせいぜい頑張れよw

と含み笑いしながら
言われたこと。

今でも脳味噌に粘りついています。

おそらく上司はボクのことを、
 
どうせ失敗の人生を送るんだろう

と予測していたことでしょう。

ムリもありません。

仕事はできない、
なんのスキルもない、
3年すら勤められない。

世間的に見ればただの落ちこぼれ。

終わったヤツ
と断じられても
仕方ないでしょう。
 
それから月日が経ち…

ボクはたまたま上司に再会しました。

お客さんとの商談帰りだったのでしょう。

上司はスーツ姿であいかわらず
忙しそうに働いていました。

ボクはといえば、ジーンズ姿にアロハシャツ。

きっと上司からは、
 
かわいそうな無職人間

に見えていたと思います。

実際、少しあわれんだ声で
「元気してたか?」と
声をかけられました。

ボクは元気にやっていることを伝えました。

あれだけ憎かった上司ですが、
 
いまやなんの恨みもありません。

(何故ならボクは…)

清々しい気持ちで挨拶できました。

そして軽く雑談。

ありがたい人生訓を聞いたところで
別れを告げました。

ボクは駐車場のクルマに近づき、
ドアノブに手をかけます。

すると突然、上司が叫びました。

 
そのレクサス、お前のか!?

ボクは上司の眼球を見すえ、
首をゆっくり縦にふりました。

そう、ボクは無職ではありませんでした。

仕事を辞めて無収入になる?

いえいえ。

それどころか新車のレクサスに
乗れるくらいには高い報酬を
手にしていたのです。

そして、

 
ポカンと口を開けた上司を置きさり、

颯爽とクルマを走らせました。

あの驚きに満ちあふれた表情、
今でも忘れられません。

退職後、、ボクの身に一体なにがあったのでしょう?

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