出演するダンサーたちは、真剣に失敗をします。

その失敗から何を得るのか。そもそも何を目的に失敗するのか。その失敗に対してどんなアプローチをするのか。

バレエという総合芸術に携わるダンサーや先生方が真剣に向き合い、会場そのものが公演になる新しいバレエ公演。

公演後のレッスンや本番に活かせる内容となっています。

これまで私たちバレエダンサーが
大事にしてきたものを一度完全に手放す?

バレエは型をキレイに踊れる技術力、美しく魅せる体のラインがなんぼの世界。

日本のバレエでは目に見える技術や見栄えに注力してきて、技術力は伸びていきました。

しかしその反面、
「海外留学の際やプロの現場では、表現力や演技力を指摘されるもどう改善したらいいかわからずに苦しむことになる。」

これが長年、日本バレエダンサーの常識になってしまった側面があるのも事実です。

今回はその長年常識とされてきた基準や価値観を一度完全に手放し、失敗そのものが学び、宝になるまったく新しいアプローチの公演です。

つまり、表現・演技力を伸ばすには...?
これを的確に指導できる人を探す必要がありました。
しかし、残念ながら国内に見つからなかったのです。

なぜ見つからない?表現力指導者。
海外バレエとの大きなGAP

日本のバレエではこれまで「演技力」は一番最後。
演技というものは敬遠されてきました。

表現力は伸ばしたいけれども、どう伸ばしたらいいのかわからない。

そのカギになるのは、表現という技術力を磨くことでもなく
「演劇・演技」に隠されていたのです。

正確に言うと、
バレエの本場ロシアや海外では、「演技・演劇」は必須で最初に重点をおかられるものであっても、日本では真逆のアプローチを続けてきたのです。

その大きなGAPを持ちながらこれまで私たち日本のバレエダンサーは、必死に技術を磨いて頑張ってきました。

この常識GAPが原因で、日本国内には表現力を伸ばすための表現力指導者が不在といえるほどマイナーになり、需要がありませんでした。

どうにか実現したい一心で探し続けていると、

ある一人の人物が名をあげてくれました。

その人物とは...

井田 邦明 - Kuniaki Ida

<Profile>
ミラノ・アルセナーレ劇場劇場付属演劇学校 主宰
ミラノ市立パオロ・グラッシ―演劇学校  (俳優コース・テアトロダンスコース) 
ミラノ市立クラウデゥオ・アバド音楽学校 (アルテシエナ科主任・オペラ歌手養成クラス)
ダンツ・ハウス スザンナ・ベルトラミ
 (ダンス学校・ダンサーのための演劇教育)
桐朋学園短期大学演劇科 特別招聘教授
<代表作>
オペラ プッチーニ「蝶々夫人」(藤原歌劇団創立60周年記念作品)
オペラ ヴェルディ「ファルスタッフ」(二期会創立50周年記念作品)
オペラ ベリーニ「清教徒」(韓国・国立劇場 イタリア原語上演 日本人初演出)
演劇 安部公房「棒になった男」(日伊フェスティバル参加作品)
演劇 モリエール「ドン・ジュアン」(リスボン・国立ドナアンナⅡ世劇場)
オペラ ブレヒト「七つの大罪」 (日生劇場35周年記念作品・ミルバ主演)
舞台を創造するということ。
それは、"人"を、"世界"を、観察するということから始めなければならない。
このように話す井田さんは、

・表現力を肉付けするのではなく、いかに表現力を引き出すか。
・具体的な方法、アプローチをもっている。
・プロのダンサーを指導、誘導できる。
・海外の総合舞台芸術で活躍している。
私たちが悩んでいた表現力をどのように伸ばすか。
その具体的で明確な方法を持っている、適任者だったのです。

即興性を学び、演劇のメソッドを使い、ダンサーがより豊かな表現力を身につけ観客に届けます。

ダンサーにとってのダンスという舞台芸術、ダンスというものの未来に対し、自分自身の表現の幅を拡げ、新しい視点から今までとは異なるアプローチを試みる、実験することです。

呼吸やリズム。空間・舞台のバランス。相手との関係。動きの分析などを
通して身体を捉える。それを基本として、芸術に対する新しいアプローチをする。例えば色彩、音楽、言葉との関係などを体験する時間なのです。

参加者は「舞台を一本作る」「見せる」というよりも、本番の舞台上、観客の前で、ワークショップで取り組んだことを実験的にデモンストレーションする。

この新しい試みには緊張感や不安が普段とはまた違う角度から襲ってきます。この演者たち、だけではなく、日本のバレエ業界の次の挑戦ともいえるこの場を、皆さんも体感しに来ませんか?

Q&A

お金を払ってでも演者の失敗を見に行く真意は?

正確に表現をすると「演者は私たちの代わりに率先して失敗」をしてくれます。その失敗から、本人がどのような体感・感情が生まれ、井田氏の指導の下、どのように変化をするのか。何が起こり、何をどのようにアプローチすることで、表現力が変わるのか。
それを観客側も同じ緊張感の中で観ることに大きなメリットがあります。

バレエの表現専門ですか?

専門ではありません。バレエに携わる方であればもれなく。それ以外に、総合舞台芸術である「表現の世界」に通づる方もあわせて、今回の公演の内容をお楽しみいただき、ご自身の表現に活かせます。

当日会場に行けません。

オンライン視聴も可能となります。この緊張感はその場で体感するのが一番ではありますが、どうしても会場までこれない方は、このような機会は多くありませんので、ぜひオンライン視聴のお申込み、お待ちしております。