二人はともに同じ学校を同じくらいの成績で卒業し、
ビジネスの世界で成功したいという強い意欲を持ち、
行動力に溢れ、起業当初は寝る間も惜しんで猛烈に働きました。
そんな二人が3年ぶりに学校の同窓会に出席しました。
3年たった時、二人には共通することがありました。
共に自分のビジネスを軌道に乗せ、
その収入だけで食べていけるようになっていたのです。
ところが、違うことが1つだけありました。
一人は既に1日1時間程度の作業で月収100万円以上を稼ぎ、彼は有り余るほどの自由時間を使って、恋人や友人たちと世界中を旅してみたり、趣味のテニスに打ち込むためにテニススクールに通いつめたり筋トレをしたり、海外旅行を1ヶ月単位で行うくらい自由な生活をしていました。
それでも彼のビジネスは何の問題もなく回っていて、彼の銀行口座には毎月100万円以上も入金があり、好きなものを食べ、好きな場所へ行き、高価な買い物をしても、口座残高は増え続ける一方でした。
そんな彼はストレスフリーな生活をしているため、見た目は年齢よりも圧倒的に若々しく、力強い肉体を持ち、キラキラした目で毎日を過ごしています。
周りの人間からは羨ましがられて、「どうやったら、そうなれるの?!」と尊敬の眼差しで教えをこう人たちが多数くるのです。
彼は、起業当初と何も変わらず、毎日朝から晩まで忙しく働き続けていました。
朝早く事務所に出社してパソコンと向き合い、レッドブルを片手に眠い目をこすりながら、目と腰が痛くなるまで液晶画面に向かってキーボードを叩き続ける。
物覚えの悪いスタッフを叱りつけながらも、1時間ごとに数十件単位で溜まっていくチャットやメールの通知に舌打ちをしながら対処していく日々。
営業や打ち合わせのために満員電車で遠出をして、接待のために夜遅くまでキャバクラや飲みに付き合い、また寝不足で次の仕事が始まる毎日。社長に休日はないので、土日も休む間も無く働き続ける...
それでも諸々の経費を除けば、彼の手元に残る利益は食べていくのがやっとの金額で、風邪が長引いいてしばらく仕事を休まざるを得無かった月などは、収入は激減してしまいました。彼が最後にゆっくりと丸1日の休暇を取ったのは、もう2ヶ月も前のこと。
今日も疲れた身体に鞭を打って、憂鬱な顔で仕事へと向かっていきます。