朝5時30分、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。カーテンの隙間から差し込む光が、今日もまた猛暑日になることを予感させる。ため息をつきながらベッドを抜け出し、窓を開けると、むわっとした熱気が部屋に流れ込んでくる。
「ああ、また暑い日が始まる...」
朝食を軽く済ませ、化粧台の前に座る。今日は重要な取引先との打ち合わせがある。いつも以上に念入りにメイクをしたいところだけど、この暑さじゃ長持ちしないのは目に見えている。ベースメイクを薄めにし、ウォータープルーフのマスカラとアイライナーを選ぶ。リップは荷物になるけど、こまめな口紅直しは必須だろう。
7時45分、家を出る。駅までの10分の道のりが、まるでサウナのよう。歩き始めてすぐに、背中に汗がにじみ始める。「ブラウスが透けないといいけど...」と不安になりながら、少し早足で駅に向かう。
電車の中は冷房が効いているはずなのに、乗客の熱気でむしろ蒸し暑い。ぎゅうぎゅう詰めの車内で、誰もが無言で耐えている。私の隣に立っているサラリーマンの方の汗の匂いが少し気になるけど、きっと私も同じ状態なんだろうな...。
オフィスに到着。冷房の効いた建物に入った瞬間、ホッとする。でも同時に、汗で冷えた体に寒気も感じる。夏って本当に難しい。暑すぎるか寒すぎるかの極端さに、体調管理が大変。
朝のミーティングを終え、デスクに戻ると、同僚の佐藤さんが声をかけてきた。
「ねえ、お昼どうする?新しくオープンしたカフェに行ってみない?」
外に出るのは気が進まないけど、新しい店には興味がある。結局、ランチに出かけることにした。
12時30分、オフィスを出る。外に一歩踏み出した瞬間、まるで熱風が顔を打つ。アスファルトからの照り返しで、目がちかちかする。日陰を探しながら歩くものの、ほとんど逃げ場がない。
カフェに到着したときには、もうシャツの背中が汗でべっとりしていた。冷房の効いた店内に入り、ホッとしたのもつかの間、今度は寒くて震えてしまう。
「暑いのか寒いのか、もうわからないよ」と佐藤さんと顔を見合わせて笑う。
ランチを楽しみながら、仕事の愚痴や最近のドラマの話で盛り上がる。こういう時間があるから、暑さも少しは我慢できるのかもしれない。
オフィスに戻る道すがら、コンビニに寄って冷たいドリンクを購入。が、店を出た瞬間にぬるくなってしまった。
「夏の買い物あるある」だね、と苦笑い。
午後の仕事は、待ちに待った取引先とのミーティング。緊張と暑さで、背中の汗が止まらない。幸い、プレゼンは上手くいったようで、ほっと胸をなでおろす。
「お疲れ様でした」と上司に声をかけられ、少し照れくさい。でも、この暑さの中でも頑張った自分を少し誇りに思う。
帰宅時間。夕方になっても気温は下がらず、駅のホームは蒸し風呂状態。電車を待つ間、スマホで天気予報をチェックする。明日も猛暑日の予報。「ため息しかでない...」
満員電車に揺られること40分。やっと最寄り駅に到着。家まであと少し!という時に、夕立に見舞われた。「傘忘れちゃったよ...」慌てて駅のコンビニで安い傘を購入。