J×S / ZZE-BASS(ジジイ・ベース)
新井武士のわがままをすべて盛り込んだ新井武士オリジナルモデル
J×S(ジェイ・バイ・エス)ブランドのZZE-BASS(ジジイ・ベース)
4弦ベースとしては珍しくフラット指板を採用するなど、その独特のスペックは
他で見ることは出来ない。デビュー当時のダウン・タウン・ブギウギ・バンドを
彷彿とさせるルックスの、プレシジョンベース。
企画/デザイン:新井武士、ジャック・フェイト 製作:ストリングライド・ギターズ
- フラット指板 -
ナット幅も、ヴィンテージ・プレシジョンよりも4~5mm広いため、ボディ側も当然、普通の
ベースのサイズよりも広くなっています。昔から、広くフラットな指板のベースが欲しかった
のですが、当時はほとんど見かけたこともありませんでした。
- オリジナル・ピックアップ -
巻き数を減らした手巻きヴィンテージスプリットタイプ(アルニコⅤ)のピックアップです。
今回、一番大変だったのが、ピック・アップでした。指板がフラットな為、ボディからの
各弦の弦高がほぼ一定になります。その事による弊害があったのです。というのは・・・
前出のフラット指板の画像を見てわかるように、各弦高とピック・アップが平行になる訳です。
1弦と4弦の音圧より2弦、3弦の音圧が勝る…、という問題です。
たとえば、1弦と2弦での音量の違い・・という観点で考えると、1弦の下側には1弦用の磁石と、そのとなりに2弦用の磁石しかないのに対し、2弦の下側には2弦用の磁石と、その両隣に1弦用
磁石と3弦用磁石が干渉する訳です。おわかりですね!?
4弦と3弦の音圧もこれと同様になるので、何も細工をしていない状態だと、自然に1弦、4弦
よりも、2弦、3弦の方が音圧が高く、音量も多くなるのです。指板にアールを持たせ2、3弦を
ピック・アップからわざと遠ざけることで、普通はその問題をクリアしているそうです。
ピック・アップで弦振動を拾うエレキ物は勿論ですが、ヴァイオリンやコントラバスのような、
そのまま音を出す楽器も同じかもしれませんね。
コマの高さでボディの鳴り、響きをコントロールしてるのかもしれません。
今回のピック・アップはオリジナルで既にあった物ですが、私の要望でなるべくサスティン
しないように、という事で巻き数も減らし、最終的には実際に私が弾きながら、何回か磁石の
出方を調整し、やっと私好みの音量バランスに辿りつきました。
- コントロール部 -
昔プレベの塗装を自分で剥がし、ピック・ガードもコントロール部を残して切って使っていた頃
がありました。今回は、随分ねかせていたアルダー材の一枚ものでしたので、その綺麗な木目を
生かす為に、わざとピック・ガードを付けずに昔と同じようにしてみました。
谷津さんと鈴木さんからの提案で、せっかくだから、それもプラスティックではなく、木で作りましょう、という事になりました。
ローズウッド/メイプル/ローズウッドの3枚重ねの板になっています。
- ネックジョイント -
谷津さんの作りは、ネックとボディのジョイント部分が普通より少し深くなっています。
どうやら、ネックの素材・形状、ボディの素材・形状、弾き手の好み等色々な要素を考えた末、
その楽器それぞれによって様々な仕様もあるようです。
私は、この、少し深いジョイントから感じるカッチリ感がたまらなく好きです。